子どもを育てるという事。

昨夕、近所の小料理屋に行った時の話。


旦那さんが「一度行ってみたい」と前から言っていたこのお店。
娘を連れて行く事になるので私はあまり乗り気ではなかったが、店を覗いてみると客もオバサマ三名しか居なかったので、子どもがいても差し支えないか店に了承を得た上で、ここで食事をする事にした。



客のオバサマ方の歳は七〇代と思われる。
この方々が店内で大きな声で喋り続ける話は、家業の話やブランドものの話ばかりで、あれは幾らした、これは幾らだった…。完全にそれぞれの自慢話である。酔っ払っているようには見えなかったが…この方々にとっては、これが普通の会話なのだろうと思った。


その後、オバサマの一人がトイレに立った時、
お座敷にいた娘を見つけて「あらー。おいくつー?」と聞いてきた。

何も答えずに恥ずかしがっている娘の代わりに私が答えていたら、もう一人のオバサマが娘を遠くから見て言い放った。




「くせ毛ーーぇ!」




は、
はぁ…。

く、
くせ毛です…ね…。

はは。
ははは…。


正直、ビックリした。
まーお酒も出すお店であるのだから、たとえ酔っ払いがいたとしても仕方ない。
しかし私自身、酔っ払いのオジサマはこれまで沢山見てきて皮肉の一つや二つ言われた事もあったが、
古稀も過ぎているであろうオバサマが、まだ二歳にもなっていない子どもに対して大きな声で罵ったのである。

娘も誉められたのではなく貶されたという事は幼心にもわかっただろう。
娘はずっと静かでお利口さんにしていたのに。
親の勝手で入った店で…娘には申し訳ない事をした。


ショックを受けた私は旦那さんに、早めに店を出るよう促してそそくさと店を後にした。


くせ毛のフレーズより、こんなオバサマがいる事に同じ女性として傷付いた私。


娘にはこんな大人になってほしくない。
お願いです。ならないで下さい。


子どもを育てるという事を意識した一日だった。